S2-3:

不確実性の集合的処理:社会的学習への適応論的アプローチ

中西 大輔(広島修道大学)・亀田 達也(北海道大学)

Abstract
本発表では、これまでわれわれが行ってきた社会的学習の適応基盤に関する一連の研究成果を報告する。われわれが特に注目したのは、不確実性の低減という側面である。個人が得た情報は多くの場合、不確実性を伴う。そのため、他者の行動を参照する社会的学習を行うことで、情報の不確実性を統計的に低減できる可能性がある。しかしながら、情報獲得にはコストが伴うため、誰がそのコストを負担するか、というフリーライダー問題 (社会的不確実性の問題) が発生する。この問題がどのように解かれるのか、“均衡 (equilibrium)” の概念をキーワードに、個人レベルの適応問題とグループレベルの適応問題という2つの側面から明らかにする。本発表で報告される一連の研究成果は、心理学における社会的学習や社会的影響の研究と、人類学における文化進化の研究を有機的に結びつける可能性を示唆する。最後に、真の学際研究への扉を拓く上で適応論というメタ理論が持つ将来性について議論する。

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