S1-3:

時間知覚における脳内情報処理過程の電気生理学的検討

小野田慶一(広島大学大学院生物圏科学研究科)

Abstract
本研究では,時間知覚過程の生物学的基盤を明らかにするために行った2つのアプローチとそこから得られた知見を紹介する.1つは,人の頭皮上から得られた事象関連 電位(event-related potential: ERP)の電流源推定することによって,時間知覚に関与する脳部位を明らかにしよう とするアプローチである.ERP成分の電流源推定には,低空間分解能であるが大まか な発生源を推定できるLORETA(low resolution electromagnetic tomography)を用いた.時間課題では,統制課題と比較し右背外側前頭前野において 活動が高くなっており,この領域が時間知覚過程において重要な処理を行っているこ とが示唆される.もう1つは動物を用いて,時間知覚に関与する脳部位の活動を直接 測定することにより,時間知覚過程の情報処理を検討しようとするアプローチである. ラットの前頭葉,海馬,線条体,黒質,視床,小脳から電気的活動を記録し,時間課 題と統制課題においてERPを求めた.前頭葉,線条体,視床において両課題の顕著な 差が認められ,差が認められた潜時帯は重畳していた.このことは視床を介する前頭 葉-線条体ループが時間知覚過程に関連した処理を行っている可能性を示唆する.

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