L1-1:
遺伝子と行動
池田 和隆(東京都精神医学総合研究所・分子精神医学研究部門)
Abstract
ヒトを含む生物の行動は遺伝子の影響を大きく受けている。特定の遺伝子型を持つと、特定の性格や疾患を持つことで、特定の行動を示すことがある。もちろん環境要
因も大きいが、遺伝要因があることは確実である。ゲノム科学が急速に進んだ現在で は、遺伝要因を明らかにして人類の福祉に役立てることが可能になりつつある。本講演では、遺伝子組み換え動物の行動解析や、ヒト遺伝子多型情報を用いた個人化医療など、演者らが進めている研究を例にお話ししたい。
具体的には、以下の5つを時間の許す限り紹介する。
1) ドーパミントランスポーター遺伝子を持たないマウスが、注意欠陥多動性障害(ADHD: Attention Deficit
Hyperactive Disorder)のモデル動物として優れている こと。
2) ドーパミントランスポーターおよびミューオピオイド受容体の遺伝子欠損マウスが、それぞれ特異的な脳内自己刺激反応を示すこと。
3) ウィーバーマウスの運動失調がある種の抗うつ薬によって劇的に改善されると。
4) 鎮痛薬作用個人差の遺伝子メカニズム。
5) 鎮痛薬作用におけるG蛋白質内向き整流性カリウム(GIRK: G-protein-activated inwardly
rectifying potassium)チャネル遺伝子の役割。
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